診療科目

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病は成人の8人に1人に見られるとされ、腎機能低下が3か月以上続いている場合に診断される疾患になります。腎臓は血液をろ過して尿を作りだし、必要な成分は再吸収し、老廃物を尿として排出しています。他に、体の水分調節や血圧のバランスを調節、ミネラルのバランス維持、血液を作るホルモンの維持、骨代謝に影響もしています。腎機能が低下すると初期の段階では自覚症状は見られませんが、進行すると疲れやすくなる、体が浮腫む、息切れがする、食欲がなくなる、体がだるく重くなるなどの症状が出現するようになります。
生活習慣病を持っている方、家族に腎臓病の方がいる、喫煙者などはCKDになりやすいとされています。腎機能低下を進行させないためには、普段からの食事や生活習慣(禁煙、食事(塩分、蛋白制限)管理、血糖値や血圧の管理,適度な運動など)を見直したり、気をつけることが大切になります。末期腎不全に進行した場合には腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)を行うか検討が必要となりますので、予防をしっかりとして進行を抑えるようにしましょう。

血液透析
慢性腎臓病が進行すると、老廃物や水分が溜まり尿毒症と呼ばれる状態を引き起こします。 倦怠感や疲労感、むくみ、息苦しさ、食欲低下、吐き気、貧血が進行したり不整脈を起こしたり命に係わる深刻な状態となります。ここまで進行すると腎機能の回復は難しいため腎機能を代替する必要があり、それを行う治療のひとつに血液透析があります。

血液透析とは血液を体外に循環させ、ダイアライザーと呼ばれる透析膜を介して余分な水分や老廃物を除去し、必要な成分などを補充して血液をきれいにして体内に戻す治療になります。一般的に週2~3回、1回3~4時間行うため決まった時間に通院する必要があります。また、1分間に100-200mlの血液を体外に循環させますので、血流を得るために動脈と静脈をつなぎ合わせて静脈を太くする手術が必要になります。血液透析によって腎臓の機能を代替えし症状を抑えることはできますが、病気が治るものではありませんので、血液透析導入後も安定した状態を維持するためには投薬や食事、水分の管理が大切になります。