インボディー

In Body インボディー(体成分分析装置)

体成分とはいったい何でしょう?

インボディは様々な人の体成分を調べるために広く使われています。体成分は体を構成する基礎成分を意味し、筋肉、骨、脂肪などの組織を作る分子レベルの素です。人体は大きく分けて体水分、タンパク質、ミネラル、体脂肪で構成されています。
体水分は人体の約50~70%を占める成分です。摂取した栄養を体の細胞に届け、老廃物は体外に排出する運搬の役割をします。
タンパク質は体水分と一緒に筋肉を構成する主な成分です。タンパク質の不足は体の栄養状態が良くないことを意味します。
ミネラルの約80%は骨の中に存在し、身体を支える役割をします。ミネラルの不足は骨粗鬆症や骨折の危険性を高めます。

体脂肪は体に貯えられた脂肪で、主に脂肪組織に蓄積されています。余分に摂取したエネルギーが多いと徐々に増えて肥満の原因となります。
この4つの基礎成分は除脂肪組織と脂肪組織に分類することができます。除脂肪量は体重から体脂肪を除いた臓器、骨格筋、血液、骨などの総量です。同じ体重でも筋肉量の多い人は除脂肪組織の比率が高くなります。体脂肪量はエネルギーの蓄えで内臓や皮下に蓄積される脂質の総量です。骨や内臓組織を保護し、体温調節や免疫力を保持する役割をします。しかし過剰な体脂肪量は生活習慣病のリスクを高め、逆に極端に少ないことも健康に良くありません。適性な量を維持することが重要です。
このように体成分は身体の健康状態と密接に関係あるので、体成分を正確に把握することは正しい健康管理の第一歩です。
体成分測定は、体を構成する基本成分である体水分、タンパク質、ミネラル、体脂肪を定量的に分析します。正しく健康を評価するには体成分を正確に評価する必要があり、体重やBMIだけに頼ることには限界があります。インボディの体成分分析装置In Body は正確かつ簡単に4つの成分を測定することが可能になります。

BIA法(Bioelectrical Impedance Analysis)

生体電気インピーダンス分析法は全身に微弱な電流を流しインピーダンスと呼ばれる電気抵抗値を得るために電圧を測定します。BIA法の原理は人体の水分に電流を流し、流れた際に発生する電気抵抗値(インピーダンス)を測定します。水分が多ければ多いほどインピーダンスは低く計測されます。このインピーダンス値を用いて人体の体水分量が特定されます。1969年に全身のインピーダンスと体水分量の相関を見つけるために実験が行われ、インピーダンス指数(身長の2乗/インピーダンス)が体水分量と最も高い相関を示しました。この指数がBIA装置の基礎となりました。その後、50Hzの単周波数を使用して全身のインピーダンスを測定する装置が開発されました。簡単に測定可能なことから、多くの研究者から注目を集めましたが、精度に問題があり、実際には半身しか測定できていなかったことが判明しました。そして人体を単一の低周波数のみで測定するだけでは全身のインピーダンスを正確に測定することはできないことが確認されました。その不正確さを補うために年齢や性別といった統計データを用いた臨床公式を開発していきますが、しかしそれらの臨床公式は実験を行った集団の特性しか反映せず、他に多くの説明すべき外的要因もあることから万人に適用できる臨床公式はありませんでした。その後も臨床公式の開発は進み、統計データを組み合わせた臨床公式も生まれましたが、最終的には臨床公式や推定式の改良よりも技術的な改良が測定の不正確さを克服するために必要であると結論付けられました。

新たなBIA法

従来のBIA装置の限界を克服した体成分分析装置がIn Bodyになります。In bodyは部位別直接測定と多周波数測定、8点接触型電極を採用しています。統計補正を用いずにこれらの進化した技術だけでDEXA(Dual Energy X-ray Absorptimetry:二重エネルギーX線吸収法)の測定値と98%に相関を示し再現性は99%一致します。

〇部位別直接測定
従来のBIAでは人体を一つの円柱の見立てて全身のインピーダンス値を1つだけ求めていました。しかしインピーダンスはその円柱の長さと断面積から求められるため円柱の体積によって求められるインピーダンスは異なってきます。よく見ると人体は1つの円柱ではなく両腕、体幹、両脚の5つの円柱で構成されておりそれぞれが異なる長さと断面積を持っています。そのため部位ごとに測定する必要があります。体幹の場合、長さが短く、断面積が広い円柱の形をしているので、とても短いインピーダンス値が測定されます。体幹のインピーダンス値は全身のインピーダンス値の5%に過ぎませんが体幹の体積は全身の50%を占めているため、体幹のインピーダンス値が1Ω変わるだけで全身の体積に大きな影響を及ぼします。

〇多周波数測定
多周波数測定のうち低周波数の電流は細胞膜の外側の水分に沿って流れ、高周波数の電流は細胞膜を通過しやすく、全体の水分に沿って流れます。単一の周波数を用いると細胞内の水分を特定することができません。しかし多周波数測定を行うことで全身の水分量を正確に測定することができます。さらに重要な点はこの測定方法によって細胞内・外水分をはっきりと区別することができることです。

〇8点接触型電極
部位別直接測定と多周波数測定を取り入れつつ測定結果の再現性を更に向上させるために8点接触型電極を採用しています。この技術は親指(かかと)電極を分離することで電極の握り方(乗り方)に関わらず、常に手足と足首の一定な位置から電流の測定を開始させる技術です。

〇統計補正の排除
部位別測定、多周波数測定、8点接触型電極などの技術によって測定精度が非常に高くなったことで年齢や性別といった統計データを用いて測定値を補正する必要がなくなりました。

BMIの落とし穴

BMIは体重を身長の二乗で除することで算出され、個人の健康状態を評価するために使用される一般的な指標です。 BMIは身長に対する体重の比率に過ぎませんが、その比率で低体重・普通体重・肥満であるかを決定します。 しかし、BMIは臨床現場で広く活用されているにも関わらず、多くの限界があります。身長と体重のみで算出されるため、体重が変化した際に筋肉が増えたのか体脂肪が増えたのかを判断することができません。BMIは体重変化を評価するには不十分な指標で、これだけで体型評価を行うと誤解を招く恐れがあります。

体脂肪率に注目

InBodyが採用するDSM-BIA法では、筋肉量や体脂肪量等の体重を構成する成分をそれぞれ分けて算出することができます。 健康状態をより詳細に把握するためには、BMIだけでなく体重に対する体脂肪量の割合、つまり体脂肪率を確認する必要があります。体脂肪率は高すぎても低すぎても良くありません。体脂肪率が高い状態は肥満や生活習慣病の原因に、体脂肪率が低い状態は免疫不全やホルモンバランスの乱れの原因となるためです。 InBodyで提供される体脂肪率の理想値は、男性15%(標準範囲: 10-20%)、女性23%(標準範囲: 18-28%)です。この標準範囲から大きく外れないよう、適切な筋肉量と体脂肪量のバランスを維持しましょう。

正しい体型評価

InBodyの体型評価では、BMIと体脂肪率を組み合わせて体型を評価しています。 BMIは体重のみの評価なので、体脂肪率と組み合わせて見ることで実際に近い体型が分かります。 体脂肪率の標準値・標準範囲は性別によって異なります。18歳未満は年齢や成長度によってBMI・体脂肪率の標準範囲が異なります。

In Body結果分析

筋肉・脂肪分析

水分を多く含む筋肉組織には電気が流れやすく、水分をほとんど含まない脂肪組織には電気が流れない原理を利用して、体重に対する筋肉と脂肪の均衡を測定します。 同じ標準体重でも I型:標準体重、健康型(体重、筋肉量、脂肪量がすべて標準で体成分の均衡が取れていて健康な体ですが、筋肉量を増やすことでさらに健康で理想的な体形になります。) D型:標準体重、強靭型(筋肉量が多く、脂肪が少ない強靭型でアスリートに多い体型です。すでに理想的な筋肉と脂肪のバランスなので維持するようにしましょう。) C型:標準体重、脂肪型(体脂肪量が多く筋肉が少ない肥満型で運動不足の現代人に多い体形で健康を維持するために筋肉量と脂肪量の均衡がとれた体体型を目指しましょう) さらに標準体重、過体重、低体重に分けて健康型、強靭型、肥満型に分けて評価を行い、適性体重や必要な体重調節量(体重調節量(kg)、脂肪調節量(kg)、筋肉調節量(kg)が表示されます。

肥満指標

BMI は主に肥満を評価する指標に使用されていますが、見た目がやせているから肥満ではないとは言い切れません。 なぜなら体が細くても体脂肪率が高ければ隠れ肥満になる可能性があるからです。 同じく筋肉量が多く体重が重い方をMBIだけで肥満とすることはできません。 つまり正しく肥満を評価するためにはMBIと体脂肪率を一緒に評価するがあり、二つを一緒に評価することによって実際に近い体型を知ることができます。

部位別筋肉量

In bodyでは体を右腕、左腕、体幹、右脚、左脚の5つに分けて測定するので、筋肉のバランスが悪くないか、上下、左右のバランスが崩れていないかなどを評価することができます。 特に下半身で筋肉量が少なく、不均衡が大きくなると、筋肉量の多い側に負担がかかり、重心が傾いてしまい転倒のリスク、体の歪みや腰痛、関節痛などを引き起こす恐れがあります。

対水分均衡

細胞臥位水分比は体水分に対する細胞外水分の割合であり、 体内の水分は細胞膜を境に細胞内に存在する細胞内水分と間質液や血液に存在する細胞外水分に分けることができます。 健康な体は筋肉量が多いだけでなく体水分の中で細胞外液が占める比率も38%前後をします。 この比率を割合で示したものが細胞外水分比であり一般的に0.360~0.389までを標準、0.390~0.399までをやや高い、0.400以上を高いと評価します。 水分均衡が崩れてしまうパターンは大きく2つありますが、疾患や怪我などによるむくみで体水分量が異常に増えると細胞外水分量の割合が高くなる形でこの数値が4.0を超えることがあります。この時は筋肉量も水増しされて通常より高い数値がでますが、この状態はover hydrationと言います。筋肉量は増加したが筋肉質は低下したと解釈します。 もう一つのパターンは加齢による老化や栄養状態の悪化で体水分が減ると細胞内水分量の割合が低くなる形でこの数値が0.400を超えることがあります。このときは筋肉量が乾燥状態と言えまた別の意味で筋肉の質が低下していると言えます。 健康で筋肉量の多い方は体水分の中で細胞内水分が占める割合が高く逆にこの数値が低くなります。

体成分履歴

体性成分を測定すると8回分の履歴データーが表示されます。体性分は1回だけ測定して現状を把握するだけでは意味がありません。最初の測定から現状を把握して生活習慣や運動習慣、食習慣における計画をたてて実際に改善に取り組みながら継続的にモニタリングすることで有効活用ができます。

骨格筋指数

骨格筋指数は骨格筋のみで構成されている四肢の筋肉量を身長(m)の2乗で割った値であり、SMIと呼ばれています。 サルコペニア、つまり筋肉減少症を評価する客観的な指標として広く活用されています。 アジア人におけるSMIの下限を男性7.0、女性 5.7 と定めています。

部位別体脂肪量

全身の体脂肪量が多い人はどの部分に体脂肪が集中しているかがわかります。一般的に体脂肪は体幹、厳密にはお腹周りに溜まりやすいので、体幹の脂肪が多くなりすぎないように注意する必要があります また、体脂肪量は筋肉量と比べて体重に対する割合が少ない反面、筋肉量より増えやすいので標準範囲が80~160%までと広めに設定されています。

部位別水分量

水分量は筋肉量を構成する主な成分であるためにこの項目の水分量は100%筋肉量の多さに比例します。ただ、体水分均衡で説明したように健康な筋肉量は水分量が多いだけでなく、その均衡がしっかりと取れていますが、細胞内・外水分量のバランスが崩れながら量だけが増えている状態はむくみと言います。